そろそろいいだろう。俺は立ち上がって、長門の顔を見た。初めて表情を見たのがこれってのはどうなのかね。俺は嬉し
いが。
記念とばかり、キスをしてやる。ショーツに手をかけると、長門が腰を浮かせてくれて、すっと脱げた。糸を引いている。
このまま入れちまいたいところだが……やはり好奇心には勝てず、俺は長門の大事なところを拝むことにした。
綺麗な桜色をしたそれは別の生き物のようにてらてらと輝き、俺を誘っているように見える。
よく女性器はグロいだの何だの言うが、長門のものならオールオッケーだ。上のほうでぷっくりと自己主張している
クリトリスに口付け、くちびると舌で皮をむいてやる。
「ひぅ」
耳から入って直接脳みそをとろかしそうな声。もっと聴きたくて、そのままクリトリスを吸ってやる。
「ん、くぅ、あっ」
突然体をのけぞらせ硬直した後、息も荒く脱力する。しまった。長門がはじめてイくところを見逃した。
しょうがない。ここからは長門の顔から目を放さないようにしよう。
つまり、
「いくぞ、長門」
俺は返事も待たず、長門の腰を抱えて自分のナニを入り口にあて、力を込めて突き入れた。
「ぁあうっ!」
長門が語調を荒くするなんて初めてだ。長門の処女喪失時の表情を脳裏に刻む。
感無量で、長門の膣中を味わう。これもまた、想像、以上だ!
熱い。狭い。やわらかい。気持ちいい。俺は取り付かれたように腰を突き出し、長門もそれに応えてくれた。
しかし所詮は童貞か、長門の人間離れした名器の前では、一分と持たなかった。でる……!
「膣内に射精してかまわない」
正直そんなのこれっぽっちも聞いちゃ居なかった。長門の中にぶちまけたい。それしか考えず、
長門の一番奥に、叩きつけるように性の奔流を放った。
入れたまま射精の余韻を味わいながら、改めて長門の表情を観察する。
さすがに長門はまだイっていないらしく、もの欲しそうな顔をして、足を俺の腰に絡めてきた。
「まだする?」
おいおい。そうじゃないだろ?
「……………………もっと、して欲しい」
恥ずかしそうに、眉を少し寄せて答えた。長門よ、気づいているか? お前今表情を出してるぞ……
なんていうととたんに無表情に戻りそうな気がするので黙っておいた。
「長門の中、ものすごくよかったよ。あのまま天国に昇天するかと思った」
そう言って頭を撫でてやる。サラサラした髪の毛がきもちいい。
「それにしてもお前、案外とこういう時に敏感なんだな」
長門は俺の胸に額を当てて、表情を見せまいとした。恥ずかしがってるのか?ますますかわいいぞ。
長門の背中に手を回して、つながったまま抱き起こす。駅弁みたいな格好だ。再び長門の顔が正面に来て、やっぱり顔が赤かった。
調子に乗って、こんなことを口走った。
「俺は長門が感じてくれて嬉しかったよ。何か不足している事があったら言ってくれ。
もっと長門を悦ばせてみたい」
長門はいつもの無表情モードで数瞬考えて、
「あなたのピストン運動は性交に最適とはいえない」
と言って、分あたり何回が適正かを教えてくれる。何だその知識。
まあ、そりゃあ初めてだし、その……
「性交の基本として、女性を満足させずに男性だけの満足で終わるのは好ましくないとされる」
プレッシャーだな。長門を満足させるだって? 出来るのか、そんな事?
ネガティブになったら息子も腰が引けたようだった。しゅるしゅると小さくなっていく。
ちょ、ちょっと待ってくれ! こんなときに!?
「大丈夫」
長門は俺をとん、と押して離れさせた。数歩離れて見ると、長門の股間からは俺がさっき大量に吐き出した
白い液体が断続的に流れ出している。まだ脱がせていないスカートと上履きと靴下がアクセントになって、脳死するほどエロい。
俺の視線に気づいたか、長門はすっかり無表情に戻った顔で
「あなたの精液はすでに相当な数が子宮に侵入している」
今度は俺が赤くなる番だった。長門はそれを滴らせるままにして机から降り、俺の前にひざまずいた。
咥える。
それと同時、俺のものを口の中全部使って刺激し始めた。これは本当に長門の口の中なのか。
俺の精液を搾り取るためだけに存在しているように思える。
「な、がと……おまえ、こんなのをどこで……」
強制的に全回復させられたものを含んでいた口を離し、今度はさおと玉を片手づつで刺激し始めた。あ、これもやばい……
「情報統合思念体に申請して性交のデータをダウンロードした」
そんな情報を溜め込んでるんじゃないぞ情報統合思念体。そうか。初めてにしては慣れ過ぎてると思ったよ。いやそれより、
「そのデータ、破棄するか封印するか出来るか?」
ぴた、と長門が停止する。きょとんとした目で
「なぜ?」
そりゃな。お前がさっき「満足させろ」といったのは解るけどさ。そのためによそからデータを持ってきても、
それはそれで盛り上がらんものなんだよ。
俺は気持ちよくなりたいって以前に、長門とヤりたいんだからさ。
長門が赤くなる。恥ずかしいのは俺も一緒だ。
こくん、と普段より振れ幅多目にうなずいて、
「了解した。当該データを全て破棄」
言ったまま、動かない。どうした?
「どうすればいいのか、わからない」
あー……じゃ、先っぽをなめてみてくれ。
「わかった」
そういって、おずおずと舌を伸ばして鈴口を撫で始めた。う、これはこれでやばい。
「次はそのさおを握ったままの手を、そのままの力でしごいて、玉はやさしく揉んでみてくれ」
さっきよりぎこちない感じでしごかれる。不安そうに上目遣いをしてくるのがたまらなく征服欲をあおった。
よく出来たごほうびとばかり頭を撫でる。長門はほんの少し目を細めた。その表情だけでノックアウトされそうだ。
「よし……次は咥えるんだ。痛いから歯は立てないでくれよ」
指示通り、まず亀頭を口に含んだ。
「そのまま……強く吸ったり、舌でこすったりしてくれ」
くっ、ちょっとやばくなってきたぞ。両手と口で攻められて、腰に力が入らなくなってきた。
俺の見てきたエロ本知識も案外間違ってはいないな。
「さおから手を離して、奥までくわえ込むんだ。舌でこすりあげたり口全体で吸い付いたり」
言おうかどうかまよって、
「喉の奥の方でしごいてくれ」
大丈夫か、こんな事言って。
「ん、ぐ……」
大丈夫じゃあ無かった。長門は律儀にも実行してくれて、苦しそうにしながらも先端を喉で刺激してくれる。
根元の方に苦しそうな吐息が当たって、こそばゆかった。眉根を寄せた長門のフェラ顔にくらくらしながら、
「そのま、ま頭を前後に動かしてみてくれ」
じゅっ、ぽ、じゅっ、ぽ、と実にいやらしい音が部室に響き渡る。頭を動かしながらも、長門の視線は
俺の顔に固定されているようだ。目が合いっぱなしだからな。どんな顔してるんだ、俺は。
そろそろ二度目の噴火が起こりそうだったので、頼んでやめてもらう。長門を立ち上がらせて、
いまさらながら服を脱ぎ始めた。長門が手伝ってくれて、何がなんだかわからないうちに素っ裸にされる。
靴と靴下まで脱げているのはどうやったんだ?
俺は椅子に……長門がいつも使っている椅子に座って、手招きした。とことこ歩み寄ってくる。
目の前に立った長門を抱き寄せて抱え上げ、垂直にいきり立ったものの真上になったところで、掴んだ腰を下げる。
俺と長門は抱っこのような姿勢でつながった。さっきより締りが良くなってないか?いきなり射精しそうになったが、
そこは我慢のしどころだ。今度こそ満足させてやるからな。
さっきよりも長門の全身が感じられる。射精感を押さえるためにしばらくじっとして、長門のくちびるを奪った。
ようやく動けるようになって椅子をぎしぎし揺らしていると、
「社会、通念上」途切れ途切れなのは俺が突き上げているからだ。
うん?
「性交、した男女は、愛称もしくは、名前で呼び合うのが、普通」
ハルヒのひねくれが移ったか? お前がそんな遠まわしな表現をするとは……
嬉しいぜ。
「有希」
口にするだけで、もっと距離が近くなったような気がした。
「……ョン」
何だって?聞こえなかったぞ。
「キョン」
くっ、射精しそうになったぞ。つながったまま顔どアップでその台詞言われちゃあな。
ケツが千切れそうなほど括約筋に力を入れて、必死に耐えた。
長門の方もそれがスイッチになったのか、興が乗ってきたようだった。まぶたが下りてきている。
俺の首に両手を回して、額と額をこつん、とあわせた。もう長門の顔しか見えなくなって、
耳には荒い息遣いと卑猥な水音しか入ってこない。
抱きしめ返して、舌を絡めあう。急に快感が激しくなったのは、もしかしなくても
長門が腰を遣いだしたからだ。長門が腰を振っているという事実に気が遠くなりかけるが、まだ果てるわけにはいかない。
俺も長門も、舌を絡めているせいで半ば酸欠状態だ。長門に酸欠なんかあるのかは知らんが。息が荒いのだからそうなのだろう。
いつの間にか背中に回されていた腕に力がこもるのを感じて、終末を意識する。
口を離した。
「有希」
「キョン」
意味を持たせず連呼する。お互いに高めあうための呪文だ。
俺は長門の尻に手を回して、思い切り腰を打ち付ける。「キョン」という呼びかけがそのたびに一瞬止まる。
熱くなった菊門を両の指が撫でた瞬間、
「あっ!」
その全身がこわばる。背中に爪を立てる感触。
痛いほどに締め付けを増した中、またも一番深いところに射精した。
もう夕日が完全に落ちている。部室の中も宵闇に包まれて、長門以外はほとんど見えない。
俺たちはつながったまま、どちらからともなくキスをした。
「ごめんなさい」
え?
「背中に爪を立ててしまった。すぐに治癒する」
いや、このままにしておいてくれ。記念だ。
「わかった」
またキス。
その後、そそくさと着替えて(俺はかなり気まずかった)、帰路についた。
長門はすっかり無表情に戻っていて、俺の三歩後ろをついてくる。さっきのことは
俺の頭の悪い妄想ではないかと思い始めていたが、全身の汗と背中の痛みが否定していた。
「なぁ、」
どう呼ぶか迷って、
「長門」
「有希」
やっぱ夢じゃないな。
「えー、有希。今日の事は、その、ハルヒには内緒にしてくれ」
「……なぜ」
なぜ、て。不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「さすがに俺と長門が……セッ、……やったなんて、誰かに知らせる事じゃないと思うんだ」
すけこまし野郎みたいな台詞に自分が嫌になったが、常識的判断だと言い聞かせた。
「あと、有希とキョンで呼び合っても、ハルヒなら感づくと思うから、それも……」
最低野郎だな俺は。
「…………わかった」
じいい、と俺を見つめる目は、何か複雑な感情をたたえていて、それを解析する前に
長門は俺の前を歩き始めて、そのまま家までそのポジションだった。